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スペースキャットを量産したこのスケジュール
「あのねぇ、スケジュール管理もっとできてれば忘年会位出れるでしょ。君は片っ端から断ってるでしょ」
仕事柄――海輝に限らず――取引先や担当してる企業、他部署等の忘年会や新年会、懇親会にも招待をされている事が多い。
スケジュールを調整しながら、出席した方が良いものだけ選んでいくしかない。
取引先や、今後重要なユーザー企業相手だと話は別だが、この部署の連中との忘年会はどう考えても不要だ。
寧ろ社外でまで見たくないと互いに思ってるだろう。
慰労も、親睦もコミュニケーションも完璧に取れてる。
また個室の貸し切りとは言え耳目にふれる会場だ。
だから担当業務の会話はタブー。
有益な情報交換の場にもならない。
自然とプライベートな話になるわけだ。
つまり、仕事上必要不可欠なイベントではない。
――と、目の前の彼に言っても無駄だ。
「同感ですね。スペースキャットを量産したこの無茶苦茶なスケジュール。プロジェクトリーダーの責任ですね。詰め込み過ぎていて負担がかかってる」
つまりは、お前だ。
そんな中、忘年会するとか皆さまの顔見ろ。目が死んでるじゃないか。
プロジェクト終了したスタッフは時間の余裕も有るし、なんなら休暇だって取れる。それなら良いが、まだ進行中の強行スケジュールで死にかけてるアナリストやコンサルタントがいるんだぞ。
つまり、お飾りリーダーのお前の率いるチームメンバーだ。
「チベットスナギツネとハシビロコウを足して、胡瓜を見て飛び跳ねる猫で割った様な顔をしていたことを僕は忘れない」
忘年会に時間を割くくらいなら体を休めた方が良いだろう。
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