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生憎ソイツは短命だから意味は無いぞ
「君、良い大人が駄々をこねるなよ。朝比奈 海輝と言えば、学生時代から超大型プロジェクトに関わったコンサルティング部門のエースなんでしょ」
今田のデスクは部署内の奥、ブラックフレームの硝子の間仕切で隔たれた別室にある。ドアは基本的に開きっぱなしだ。
そこに新たな声がして、げんなりとした。
おい、助っ人かよ。
「上にも期待されてるんだろ? スケジュール管理も出来なくてどうするの。今田さんを困らせたら駄目だよ」
肩越しに見ると、小柄で痩せた男がファイルを手に入室する。
忘年会幹事の山田だ。
「忙しくても是も大事な仕事だよ。忘年会だからって蔑ろにしては駄目だ。外資系ホテルの件で上手く行ったからって天狗になっちゃいけないよ」
上司にゴマでも擦りたいのか。
生憎ソイツは短命だから意味は無いぞ。
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