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何故ここで、レイプ議論をしなくてはならないのだ。
「絶対レイプしてやる」
『何を言ってるんだお前は』
「お仕置きでレイプする!」
『矛盾していないか』
「僕も辛いが君をレイプする」
『あぁ、そういう事か。成程。では、恐らくお前は楽しそうな顔をしてると思う』
「はぁ!? 僕がこんなに苦しんでいるのに何て事を言うんだい。何が成る程だ」
新幹線も電車も爆破してやる。
何が何でも阻止してやる。
受話器越しに、溜息が聞こえる。
溜息をつきたいのは此方だと言うのに。
『何が苦痛だ。俺に何かする時は、いつも嬉々としてるじゃないか。あの助平顔と変質的な言葉の数々すべて覚えているぞ。お前は破廉恥で助平だから、そういう無理矢理抱くと言うシチュエーションを楽しみたいのだろう。普段から意地悪をしてくる事が良くあるとは思っていたが、その手の願望が有ったのか』
「……いや、プレーじゃなくて」
『だが海輝。合意の上での強姦は果たして強姦と言えるのだろうか』
「はう?」
ジーザス。
何て事だ。
怒って噛みついてくると思ったが、斜め上の回答に間抜けな声が出た。
『だから、合意の上での性交なら強姦は成り立つとは思えない』
「成り立つよ。大柄な男に圧し掛かられたり、見知らぬ異性にセックスを迫られて恐怖の余り嫌だけど受け入れるパターンだって世の中にはある。形ばかりは合意の上のでも、強制されたセックスは立派なレイプだろ。夫婦間や恋人同士でもレイプは成り立つんだよ?」
何故ここで、レイプ議論をしなくてはならないのだ。
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