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お前は自分の男にどんな不名誉をかぶせる気だ

つまり、焦らしプレーをして、錦にドスケベなお強請りをさせたくて金を渡すとか、またはベッドの上で小遣いを渡して援助交際的シチュエ―ションを目論んでいるとか。 恐らくだが、そう思われている様だ。 誤解が酷過ぎる。 お前は自分の男にどんな不名誉をかぶせる気だ。 「だから、プレーじゃないって」 『あと、恋人同士で金銭の受け渡しは感心しない。……まさか、お年玉か?』 はっとしたように言われ、次に少し気まずそうに 『お年玉もいらない』 と言われる。 「あぁ、もう。錦君のお馬鹿! もう何でも良いよ。兎に角、新幹線は駄目だ」 『俺は馬鹿じゃない賢い。お前がそこまで言うなら新幹線は止める。ヘリで行くから少し落ち着け』 はぁ、やれやれ。 そう言う風に、錦はあっさり妥協した。 『――ところで、先ほど言ってたペッティングとは何だ?』 錦の言葉に海輝は遠い眼をし、額に手を当てる。 実際は過去に散々体験してるけど、今度また教えてあげるね。 そう言えば彼は箱入りで変な所で無知なのだ。 素直だと素直で海輝を振り回してくる。 全部ひっくるめて、大好きなのだが、――何というか、海輝の完敗だった。

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