67 / 218

常に敗北知らずの海輝が負けるのは、錦相手でしかない。

こうして、海輝は完全敗北した。 完敗だよ錦くん。完敗。 常に敗北知らずの海輝が負けるのは、錦相手でしかない。 しかも、完全敗北と来た。 しかし、錦の移動手段を希望通りに変えることが出来たので勝負に負けて試合に勝ったと思う事にした。 ……どちらにも負けている気がしたが、恋人相手に勝ち負けではないと考え直した。 振り回されても心地良いのだから、結論としてはやはり幸せなのだ。 『それよりもお前は俺を強姦したいのか? 俺はお前を拒むことが出来ないので、頑張っても無理だと思う。お前に妥協させるのは忍びないので努力はするつもりだ』 「もう、その話題止めてぇ……本当はエッチ無くても良いからラブラブに過ごしたいです」 『そうか。お前は変態なので妙な性癖があっても仕方がないとは思っていたが、安心した』 「その、駄目彼氏に向ける様な生温い優しい言葉なに」 『撤回しろ。駄目な男じゃない。お前は、世界一良い男だと俺が認めている。例え妙な性癖があっても、俺は受け止めるつもりだ』 幼少期から男前だとは思っていた。 妙に包容力が高くて、海輝は僕の恋人最高と笑う。 チョロイ癖に、一筋縄ではいかない。 やはり、錦は最高だ。

ともだちにシェアしよう!