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何故シーラカンスのぬいぐるみ?→土偶にしたら僕よりぬいぐるみに夢中になるから
「カウンター席ってさ並んで座るから距離が近いのが利点だけど、僕は正面から顔を見たいんだ。まじまじと、舐めるように見たいんだよ。ご飯を食べるときの錦君の顔。そして僕の顔を見て欲しい。となると、やはりテーブルの方が良いんだな」
現在住んでるマンションは家具付きなのだが、ダイニングテーブルが無い。
厳密にはテーブルは付いてはいたが、別に備え付けられていたカウンター席で仕事も食事も済ませていたので、ダイニングセットは不要だった。使う予定も無いと判断し、部屋のデザインを変更してもらい家具店で引き取ってもらったのだ。
「カウンターが有ればテーブルが無くても問題は無いですよね」
「そうなんだよね。カウンター席で充分なんだけど、錦君とご飯食べるならテーブルの方が良いよね」
「錦様が遊びに来ることは考えていなかったんですか」
「僕が会いに行けば問題ないし、本当は社会人になった当時はそんな浮かれたこと考える暇も無かったんだよ。錦君を迎えに行くのは、まぁ、大体彼が成人した頃になると思ってたからね。もしも一緒に過ごせるなら引っ越そう位は考えていたからなぁ。家具は今お願いしてるから後回しだ。花だ。花を飾らねば。あと水槽レンタルも忘れちゃダメだ。あ、僕がいない間にお昼寝するかもしれないから、シーラカンスの抱き枕も購入しよう」
如月は「何故シーラカンス?」と首をかしげる。
「土偶にしたら錦君が僕よりぬいぐるみに夢中になるだろう? あとは、花だ。いっそ観葉植物にしようか……うぅん」
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