「枯れるか枯れないか、愛情を返してくれるか受け取るだけかの違いがありますよ」 「良いね！ 朝比奈家で扱使われてるのに、君は何時までも擦れないしピュアで良いぞ！　来年は中華ツアーのお土産を期待しててくれ」 「あの、それよりもお花は決まりましたか？」 「青い薔薇、錦君は僕の永遠だから青の薔薇も良いけど、見た目は薄いピンクの方が良いな。よし薔薇にする！　そして大輪の百合も加えてアレンジして貰おう。百合はピンクと白の二色だ。柔らかな肌と良い香りのする清楚で綺麗で可愛い錦君に似合うのだー！」 「お疲れですね」 「目の下にクマを飼育している君が言うな」 速攻デザイン依頼へ進む。 これで良しとホッと一息つけばチャイムが鳴り、如月が席を立つ。 お使いに出した部下が無事帰ってきた様だ。 「やぁやぁお帰り、待ってたよ蓮城君」 「失礼します。大変お待たせしました」 錦曰く蛇食鷲に似た顔をした部下が静かな足取りで部屋に入る。 如月同様の激務をこなしていると言うのに、此方は疲れを見せない涼し気な表情だ。 「二階堂様から預かったデータになります」 マニラ封筒を海輝に差し出す。 間近で見れば、如月同様少し眼が充血している。 顔は整ってるが愛想も皆無、表情筋に至ってはどうも死んでるようなので疲れていても分かりにくいだけかもしれない。 如月と違い蓮城は朝比奈と無関係の海輝の部下だ。 やれと言えば無理難題何でもこなしてくれるので重宝している。