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僕のお願い聞いてくれそう?

「香りはキャラメルでも味は唯のコーヒーだからね。甘いと思って飲むと驚くよね」 「いえ、何というか……そう言う問題ではありません」 何が起こってるのか理解できていない如月を横目に海輝はリッドを外す。 リッドを付けたまま飲むのは得意ではない。 「うん、不味いね。蓮城君、コーヒーに砂糖だけ入れるのは最悪だよ。所で何杯入れたんだい」 「四杯です」 過去彼に疲れた時は甘い物が美味しいと話したことはある。 あるが、これは如何なのだ。 「砂糖だけのコーヒー程不味い物は無いね。砂糖入れるならミルクも頼むよ」 「苦いのか甘いのか良く分からない味ですね」 そう言いつつも、カップを傾ける。 紅茶には砂糖やミルクを入れるが、コーヒーはブラックかミルクだけだ。 蓮城に目だけで笑いかけると、無言で冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、差し出してくる。 「蓮城君も好きなの飲んで良いよ」 「結構です」 「如月君はそのコーヒーで良いのかな」 如月が爽やかな笑顔を曇らせた。 「あの、今日は帰宅できるんですよね?」 珍しく、縋るような声で言う。 「出来ないよ。今日も残業だよ?」 今夜も返さないぜと笑うと、いつもなら笑う彼は悲壮な表情になる。 「うへぇ」 「で? 蓮城君。家具屋さんはどうだった? 僕のお願い聞いてくれそう? 錦君が僕の所に来るのが二十八日の十七時頃なんだけど間に合うかな」

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