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僕は前世で世界滅亡を阻止したに違いない。人類を救ったからこんなに素晴らしい事があるんだ
「金を出しても首を縦に振らないので、金銭では解決しないと判断しオーナーの首を締めあげて孫娘の写真を目の前に差しだしたら快く引き受けてくれました」
ホットサンドイッチを齧りながら、ダイニングセットの買戻しが予定通りに進んだことに満足する。
「ちょっと、それ脅迫じゃないの?」
「脅迫などしていない。交渉の範囲内だ」
如月の顔に「上司が上司なら部下も部下だ」という言葉が浮かんでいた。
「そう不満そうな顔をしないでくれ。問題無いんだよ如月君。お金は倍支払っている。錦君なら許すけど、僕は焦らしプレーは趣味じゃない。しかし、相変わらず支払い方法は現金かい」
「形が見える方が安心するそうです」
「あの、既製品でもよかったのでは」
「元々部屋に付いてた家具の方が見栄えが良かったんだよ。丁度二人掛けだしね」
海輝は上機嫌で残りのホットサンドイッチを口に放る。
チーズが冷めて少し伸びが悪いが、充分に美味しい。
これで錦を迎える準備は万全だ。
如月はすっかり食欲を失くしたのか一口齧ったきりだ。
「錦君が家族で恋人の僕は前世で世界滅亡を阻止したに違いない。人類を救ったから、こんなに素晴らしい事があるんだ」
「お疲れのようですね」
蓮城はやはり冷えた眼で海輝を見る。
「多分、君は前世で人類を救済する僕を手伝ったんだろう。徳を積んだから、こうして僕の部下になれたんだ。喜びなさい」
「万歳参照した方が宜しければしますが」
「表情筋死んだ顔でされても嬉しそうに見えないな。寧ろ笑える」
「海輝様は前世で徳など積まなくても、実力で素敵な人生を歩まれていますよ」
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