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既婚者が未婚者に結婚を進める様な鬱陶しさとテンション
如月は少しげんなりした顔を見せた。
錦が絡むと、普段は理性的な海輝がただの拗らせ系の面倒な男になるからだ。
尊敬できる相手だが、錦の対応一つで情緒不安定になるので塩対応だけはしてくれるなと思い浮かべた少年に懇願する。
既婚者が未婚者に結婚を進める様な鬱陶しさとテンションで、「恋人と言うのは良いものだね!」とニコニコと笑う。
蓮城は冷ややかに「そうですか。それは良かったですね」と返す。
恐らく殆ど話を聞いていないだろう。
部下の心中などどうでも良い海輝は、
「僕は人生において恋愛など役に立たないものだと思っていたけど、大きな間違いだ。君、恋愛は素晴らしいものだよ。違うな。錦君が素晴らしいんだ。おやおや如月君、何だか死にそうな眼をしてるね。君も顔面騎乗位をさせたいと思うような美人な恋人が出来ると分かるさ!」
と高らかに笑いながら、散々不味いと言った砂糖が溶け切らないコーヒーを飲み干した。
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