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「Guten morgen!」って、海輝の海輝君がお早うしそうで困る。
十二月二十八日。退勤時刻まであと二分。
ついに、ついにこの日が来た。何とか三十一日から休暇をもぎ取れたが、錦が遊びに来るのは今日からだ。
今、海輝の部屋に居ると思うと不整脈気味になり苦しい。
しかも、炊事をしているのだ。
海輝の海輝君がお早うしそうで困る。
Guten morgen!
でも、ここは会社だ。寝ていなさい。ステイ!
栄養ドリンクを飲み干し、目薬二本を左右の手で持ち同時に点眼する。
点眼薬とは、じょばーっと垂らし眼の縁から零れるくらいに使うのが良い。
隣の席から笑われるがどうでも良い。
眼も頭もすっきりだ。
――さて。帰るか。
割烹着姿で夕飯の準備をする錦君が拝めるなんて、まさに歴史的瞬間ではないか。
日中一人で過ごさせる事を良しとしない海輝だったが、錦は仕事帰りの海輝を「お帰り」と迎えるためと「いってらっしゃい」と送り出す為に、此方が休暇に入る前から来てるのだ。
天才だ。どんなプレーだと思わないでもないが新婚みたいだ。
楽しみ過ぎて興奮が抑えられない。
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