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「はうっ! 眩しいい!!!」
「はうっ! 眩しいい!!!」
思わず海輝はしゃがみ込み顔を覆う。
目が潰れてしまう。
「何をしている」
「錦君が眩し過ぎて」
「意味不明だが、まぁ良い。それより、ただいまは?」
ただいまと挨拶をされず、少し拗ねてるのが凄まじく可愛い。
「た、ただいま」
指と指の間から錦を見ると、彼は満足げに頷いている。
オーバーヒートしそうだ。可愛くて溶ける。おかしい。
錦に対する賛辞の容量は無限大の筈が、再会して五分もしない内に容量オーバーしてる気がする。
生まれたての小鹿のように足がプルプルする。
錦が不審そうな目をするが、温野菜のサラダを運んできた。
既に二人分の箸と湯のみ茶碗が並べられた食卓。
ぶんぶく茶釜の揃いの箸置きを見て酷くときめいた。
ふわりと漂うだしの香りに空腹を覚える。
「うっうぐぐ」
この感情は何だ。
目の前には食卓を整える割烹着姿の錦。
錦に飛びつき渾身の力で抱きしめ思い切りむしゃぶりつきたくなる。
落ち着け。キュートアグレッションというやつか。
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