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君の姿を久しぶりに見てバグった
「ご飯美味しいお味噌汁美味しい酢の物美味しい鶏肉凄く美味しい。大根味が良くしみこんでる。出汁も凄く上手に取れてるね。昆布とかつお節の出汁と、これは昆布と煮干しの出汁だね。うんうん錦君は料理上手だね」
錦の性格的に、凝った物を作るかと思ったが以外にも家庭料理だった。
シンプルな料理ではあるが、彼の丁寧さが良く現れている。
味噌汁と煮物の出汁は味が違う。海輝は出汁の作り置きはしないから、錦がこの部屋に到着後に料理に合わせ違う出汁をとったのだ。
雑味がない出汁と、味の沁み込んだ煮込み料理に純粋に感動をした。
全て海輝の為に錦がした事だと思うと、堪らない気持ちになる。
世界の中心で愛を叫びたい。
「僕とした事が、錦君がいる所が世界の中心だった。よし窓から世界に向けて愛を叫ぶか!」
「さっきのは何だったんだ」
「錦君への愛情が限界突破して要領オーバーしたけど、増設したから大丈夫」
「真面目に答える気が無いのか」
「僕は真面目だ。大好きな飼い主に数年ぶりに再会した愛犬が、喜び最高潮で興奮の余り失神するのは珍しくないって知ってる? それと同じだよ。君の姿を久しぶりに見てバグった」
意味が分からないと溜息をつかれる。
はあっという溜息をついた顔が色っぽい。
駄目だ、生錦に海輝の海輝君が起動してしまう。
「お代わりあるぞ」
「えぇ! お代わりよそってくれるのかい? うそぉ。えへ、へへへ」
誰もそこまで言っていないが、何となく手の動きでそうなのだろうと予測する。
海輝は感動していた。錦と家庭を持てば毎日こんな夢の様な時間が過ごせるのだ。
新婚みたい。いや、新婚そのものだ。
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