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朝から夫となる男を殺しに来るな。
「おっ、美味しい! 切り干し大根なんて物凄く久しぶりに食べるよ」
テンション爆上がりだ。
「口にあって良かった」
「頬っぺたおちる!」
「大袈裟だな」
「うんまっ!」
お世辞では無い。とても、美味しかったのだ。
薄味な料理は調味料よりも出汁で作り上げている。
食事制限の課せられた彼の普段食べている物が料理の土台になってるのだ。
彼の私生活を体験するように至福のひと時を味わいながら、朝早くから大変だったのではないかと少し心配になる。移動で疲れているだろうに、昨夜は夕食を作り今朝は海輝より早起きして朝食を作ってくれたのだ。
「普段も朝早くから料理するの?」
「休日に料理の練習する位だ。楽しいから苦ではない。だから、変な気を使わなくて良い」
「有り難いなって感謝してるんだ」
「お前相手に無理する必要はないのは分かってるから、無理はしない」
海輝の胸の内を読んだ錦に思わず笑う。
随分と成長したものだ。
それ以前に錦は元々意外にも包容力があるタイプだった。(ただし海輝に限る)
「それより昨日はよく寝れた?」
「寝れたが今日からは同じベッドが良い」
「んぐっ!」
飲み込んだ米を詰まらせるところだった。
慌てて茶で流し込む。
錦と囲む食事の席で咳き込むなんて真似はしたくない。
それより、朝から夫となる男を殺しに来るな。
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