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可愛いの百裂拳を全身で受け止めた。

「……仕事の邪魔にならないようにする」 「止めて可愛いの暴力だ!」 逆に罪悪感が湧く。 もっともらしい事を言っても、錦との約束を打ち破りエロい事を沢山しそうなので避難していて欲しいのだ。 今までみたいにペッティングなら良いかなとか何度考えた事か。 しかし錦の錦による解禁日は三十一日から一日にかけてなのだ。 「海輝の集中力をもってすれば、別に俺が居ても居なくても気にならないはずだ」 何気に我儘で可愛い。 あぁ、畜生可愛いな。というか、傍に居る錦を完全無視を出来る人間がいたなら、そいつは視覚、聴覚、嗅覚が完全に死んだ人間だ。 「可愛いは正義、可愛いは暴力、つまり暴力こそ正義。可愛いこそ、最強と言う事だね錦君」 「何を言いたいのか分からないのだが」 実は夜中に我慢が出来ずこっそり錦の寝顔を見に行ったら、海輝が用意したシーラカンスの抱き枕にしがみ付いて熟睡していた。 神よ!と、海輝は足をバタつかせながら床をのたうち回った。 可愛いの百裂拳を全身で受け止めた。 七つの穴どころではない数の穴が開いてるはずだ。 まさに蜂の巣状態だろう。 布団に潜り込みたい誘惑を断てただけでも表彰物の忍耐と言える。 日捲りカレンダーを三十一日まで破り捨てたい衝動に駆られた。 山羊にでも食わせておけば良い。 そんな海輝が錦と同じベッドに寝て我慢できるとは思えない。 しかし、可愛い錦のお願いを拒否するなんて無理だ。 海輝の海輝君を縛り上げるしかない。 虐待だが、錦の為だ。 股間のモンスターを封印するのも大人の役目だ。

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