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俺の解禁時刻を言っていなかったな。

「いやでも、今も年末だよね。前倒しも何もなくない? 錦君にとっての年末は大晦日なのかね」 社会人が言う年末は二十五日以降から三十一日にかけてだ。 海輝にとって可愛い=錦こそ正義なので、錦が言うなら年越し蕎麦を食べた後に解禁なのだろう。 蕎麦を食べるタイミングは恐らく夕食時。 つまりは、その後……。 「封印したモンスターを解放し錦君が調教してくれるのか」 勇者よ任せたぞ。 熱い視線を受けながらも錦は食事を続ける。 「あぁ、蕎麦と言えば。俺は海老の天婦羅より野菜の掻揚の方が好きなので掻揚にするつもりだ」 もはや唯の掻揚蕎麦だ。 甲殻類は避けろと言われている錦だが、調理法的に海老天はセーフだろう。 しかし錦は海老天より野菜の掻揚にするつもりらしい。 要である蕎麦を食べておけば良いだろうと意外に大ざっぱなのだ。 「お前はどうする? やはり海老か? 他に食べたい天婦羅が有ればついでに揚げるが」 そこは海老で頼むと言いながら、だらしなく顔が緩んだ。 錦と年越しとか何て甘美な響き。できれば海老天を頬張る性的でありながらも可愛い錦も見たいが掻揚を食べる錦もまた一興だ。 「海老か。分かった」 一緒に料理したいのだが、錦は一人で作るつもりらしい。 「海老も野菜の掻揚も錦君も食べたい。僕もお手伝いしたいな」 「年末の台所は戦場と同じだ」 「お、おう?」 いちゃつきながら料理したかった。 片付けはカウントされないだろうか。 「手出しは無用だ。それよりも、俺の解禁時刻を言っていなかったな。予定としては十二月三十一日の二十三時からだ。互いに適度な量の食事を摂り体力を温存しよう」 「ぶはああああ」 「鼻と口から味噌汁を吹くな」 年越し蕎麦と同じラインで爆弾発言捩じ込みやがった

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