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地獄と天国は地続きだった
「朝起きたら海輝が居るのって良いな」
独白めいた呟きに、海輝の海輝君が自爆テロを起こしかける。
もうヤダ、可愛い。ころりとシーツに転がして、そのままむしゃぶりつきたい。錦は物凄く怒るだろうが、結局は海輝を許すだろう。
しかし、あと一日だ。一日耐えれば、無礼講。
錦が自ら解禁してくれるのだ。
耐えろ海輝。錦を愛してるなら、耐えるんだ。
「頭撫でて良いぞ」
「ちょっとだけエッチなことしても良い?」
「駄目。頭」
我儘な猫の頭を撫でる。丸くて小さな頭を撫で、時折指先が耳朶に触れると擽ったげに身を震わせる。
ごろごろと喉をならす代わりに心地良さに目を細め、体をぴたりと摺り寄せる。
まさか天使の顔をした小悪魔だったとは。
朝比奈 錦と書き子悪魔と読む。
……違和感が凄い。
錦が十一歳の誕生日を迎える時に、海輝の師が錦は天使ではなく小悪魔だと言っていたが確かにその通りだ。
しかし、やはり違和感が凄い。
兎にも角にもこの一夜で海輝は地獄と天国は地続きだった事を知った。
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