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錦君大感謝祭解禁パーティー、しかも十八禁が待ってるのだ。
熱い茶を飲みながら軽く瞼をマッサージする。
疲労か目がじんじんする。寝不足が原因だ。
錦の寝顔を眺めていたら朝になっていた。
他人事なら指をさし「気持ち悪いな!理解に苦しむよ君」と笑ったものだ。きっと錦も同じように「気持ち悪い」とゴミを見る目を向けるだろう。寝顔を眺めていたら、夜が明けていたとか。笑うしかない。
逆に錦はすやすやと無防備に眠っていたのだ。
この温度差が何というか我ながら面白い。
笑うしかない。骨抜きなのだから、仕方がないと開き直るしかない。
「お前、眠いのか」
手際よく炒め物を作りながらちらりと見て来る。
油と水の弾ける音と甘辛い香りに食欲が刺激される。
香りからして金平でも作ってるのだろう。
「眠くは無いよ。幸せをかみしめてるのさ」
「……そうか」
幸せだが、確かに海輝はほんの少しだけ草臥れていた。
連日徹夜など平気なのだが、空腹なのに目の前のご馳走に有りつけないという葛藤が有った。いやいや、葛藤などと言うのは間違いだ。
愛が有れば何のその。
年末になれば錦君大感謝祭解禁パーティー、しかも十八禁が待ってるのだ。
ネットでポチった避妊具開封儀式も同時進行だ。
一気に元気が出た。
現金な男である。
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