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許してくれるなら、もう逃がす必要は無い。

「ベッドの上では頑張ってみるつもりだ」 「僕のこと本気で殺しに来てるな」 よしやろう。 すぐやろう。 今すぐやるぞ。 宗教画の天使と評される優しげな顔立ちからは想像も出来ないほど、下種な性質を持つ海輝としては、それはもうドロドロの性愛でもち錦を抱き潰したいと考える半面、溺愛しすぎて「可愛い恋人にそんな事できない」と性器の挿入だけは出来なかった。 指と舌だけだ。よく耐えた。 単純に錦の体がまだ未成熟であり、何より精神的にもまだ子供だと思っていたからだ。 つまみ食いしてその味を知りながらも、間食しなかったのは我ながら凄い。 彼の年齢を考慮すれば、偉いどころか完全アウトだ。 犯罪者扱いされても文句を言えない立場になる訳だが、可愛い恋人を前によく我慢したと自分を褒めたい。 先端数センチ程度を粘膜に食い込ませれば、ぷるぷると震えながら涙目でこちらを見てくる彼を前にすれば無体は出来ない。 錦に後悔だけはして欲しくは無いから。だから、恋人関係が続いても、ある程度の年齢まで最後の一線は越えなかった。 それが、ついに今夜が解禁日だ。 好きにしてくれと許しは出ている。 体をなぞると、柔らかさより弾力が掌に返る。 幼い頃とは違う青年の体。 許してくれるなら、もう逃がす必要は無い。

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