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第5話
「かなちゃん起きてー」
「んん……あと5分…」
結局あのままだらだらと優也の部屋で話している間に寝てしまったようだ。
朝が苦手な奏斗は、なかなか起きない
毎朝誰かに起こしてもらわないといけない。
将来のために、これではいけないとはわかっているのだが、こればかりはどうしようもなく、優也も手を焼いていた。
「………朝ご飯」
「!!」
ところが、その言葉に奏斗は大いに反応してガバりと起きる
そう、こんな状況で一番効き目があるのは奏斗の好きなおばさんの朝食。
なにがなんでも食べたいらしく、速攻に部屋を出ていこうとする奏斗を捕まえ一気に着替えさせる。
今日も、なんとかなったようだ。
「おばさんおはよ。朝ごはん」
「あらおはよう、ごはんはまだよ。もうちょっと待ってね」
「……」
それを聞いて奏斗は騙したな、と言うように優也を睨んだ
優也はいつもそれに気づいてないふりをする
毎回毎回この流れをしているのだが、奏斗は何度も同じ手にかかる。
それほど朝食が楽しみなのだろう
しょんぼりする奏斗を見て、少し可哀想だとは思うのだが、同時にこの光景に優也は癒されたりもしている
「「行ってきます」」
しっかり朝食も食べ終わり、家を出た
普段なら奏斗は逃げるように家を出るため朝食をしっかりとるのは、優也の家に遊びにきたときだけなのだ
正直言うともうここに毎日でも来てやろうかとも思うのだが、流石に迷惑だし、厚かましい事くらい奏斗もわかっている。
いつまでも甘えてはいられないのだから
とは考えるものの、自分の家に帰ることが憂鬱なときは、いつも優也の優しい密を吸ってしまう
じわじわと、優也がいないとまともな生活すら出来なくなりそうで少々不安である。
「忘れ物ないよね?」
「うん。大丈夫」
そうこう考えている内に学校に着き、そのまま流れるように1日をやり過ごす。
ただ少し違う事があるとするならば、昨日の夜からずっと、まさに授業中にも溜まっていく昌からの通知に奏斗はうんざりしていた
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