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第20話

気持ち悪い 気持ち悪い 晶が口をつけたところからまるで蛆虫でも這いずってるかのような不快感に鳥肌が止まらなかった 必死に服の袖で擦り拭う だが、そんなことしてもこの汚れは落ちない気がして何度も何度も擦る 「くそっ、くそっ」 おかしな気分だった。 頬を伝って落ちる水は止まる事はなく、体中に浮き出る鳥肌も考えれば考えるほど増えていく あれは異常だ 奏斗にはなぜそう思うのかも何なのかもわからない わかりたくもない だが、体は晶が あの眼が 怖かった 「…ふ…っっ」 声を殺し泣く1人の部屋 隅に小さくうずくまり、俯いて 晶のあの眼を奏斗は知っている 自分の自由を奪う眼だった それは父にも感じる 執着の眼に似ていた おかしい あれは父ではない だが、一瞬。 晶が父と重なった 眼があった瞬間から背骨を引っ掻き回されるかのような感覚に陥った なにがなんだかわからない だが、鮮明に覚えているあの恐怖を 奏斗は知っている

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