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第27話

あれからいじめはよりエスカレートしていった ペンやジャージがよく盗まれ、机の落書きには留まらずに暴力を振るわれる事が多くなった 優也がいない時を見計らい、陰湿ないじめを繰り返される 陰では皆奏斗を、ホモだなんだとくすくす馬鹿にされ いくら優也という心強い存在があったとしても、流石に奏斗も限界を感じていた。 日に日にエスカレートするいじめは、ついに一線を超えてしまった 「なあ、脱げよ」 「……は?」 3人の男子生徒に連れられトイレに投げ込まれたかと思えば1人がそう言った 奏斗は意味が分からず固まったままその男を見た じっと奏斗を見る3人の男の目はただただ欲情に溺れたような、そんな目で奏斗の体をねめまわす 流石に奏斗もおかしいと思い、気づけば本能的に3人から逃げようと、トイレの出口に走っていた 「おい!くそっ」 「あっ!やだっ、やだって!」 だが、それもあっけなく男に捕まり結局トイレの奥に引きずり戻された その間もこれでもかと反抗してみたが、もちろん3人に押さえられてしまえばもうなすすべもなくなってしまった 「逃げちゃ駄目だろ?"かなちゃん"」 「うるさい!離せって」 「おいもっとちゃんと抑えろよ」 「わーってるって。大人しくしような?」 げらげらと笑う3人に強く押さえつけられパニック状態の奏斗はめちゃくちゃに体をよじって逃げようともがく その行動が3人の加虐心をさらに煽っている事を奏斗は気づきもしなかった 「早く脱がせようぜ」 「はいよ。ほら、ばんざーい」 「嫌だっ離せよ!」 「こら暴れんな」 腕をひとまとめに頭の上に固定され、身動きが取れない奏斗のシャツをもう1人が乱暴に剥ぎ始める もうあと1人はスマホで奏斗にカメラを向けていた 撮られている 写真がばら撒かれたあの日からカメラに敏感になってしまった奏斗は、顔を映すまいと必死に顔を背ける その内にもシャツを剥ぐ手は止まらずについに上半身が見え始めた 「やばっ傷だらけじゃん」 「本当だ、きもちわるっ」 「こういうのが好きなの?かーなちゃん」 「…んっ」 3人の男子生徒は父がつけた上半身の古 傷を見るや否や予想通りの反応を見せる  シャツを捲りさらに覗く古傷をつっと撫でられ、酷い嫌悪感と恐怖心を抱いた 気持ち悪い気持ち悪い それでも抵抗すらできない奏斗はただ時間が過ぎるのを待つしかなかった 「なんかさぁ、エロくね?」 「ガチ?イケんの」 「お前こんなんが趣味なんかよ」 「いや、だってさぁ」 気持ち悪い会話の最中、ずっと黙って顔を背けていた奏斗の顔をグッと無理矢理カメラに向かせ、 「可愛いじゃん?」 そう言った その時カメラを向ける男と目が合った まるで奏斗の怯える目を見て興奮したかのように 「まぁ、ね?」 ゆっくりと近づいて来るのがわかる いつの間にか後ろで手を拘束する男の息遣いは荒々しくなり、体を弄る手の勢いも増していた 「やだ…やだ、やめて、来ないで!」 「あははっ!やめてだってさ、どうする?」 「ヤってみれば?お前好きなんだろ?」 「んー、イケるかなぁ?」 ずるずると体を触る手はゆっくり下に降りていき、奏斗のベルトを緩め始めた 「いやだっ…助けて……ゆうや!助け…」 「馬鹿!口塞いでろ」 「ん"〜!ん''ぐっ」 「今あいつに来られるとまずい」 やめてやめてやめて 唯一の救いの優也に助けを求めるも、直ぐに口を塞がれ、それすらも叶わなくなった ついに男の手がズボンを下ろし始め、もう無理だと諦めかけたその瞬間 「何してんだよ…お前ら」 突然声がして皆一斉に後ろを振り向いた そこには奏斗が見慣れた人物が見えた 黒髪で、切れ長の目をした男 「…あき、ら?」  

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