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第39話

グチュグチュとした粘着質な音が耳に響いて、奏斗は目を覚ます 「はぁっ、あ…んぅ、」  「気持ちいい?かなちゃん」 優也に触られると奏斗の口から、勝手に甘い吐息がもれる 変わらず視界は暗いままだが、優也が奏斗に何かしていることはわかった なんだ、これ 寝ているような、起きているような、よくわからない狭間の中で、唯一はっきりと快感だけを感じることはできた おれ、おれは… 「ん…あぁあっ!」 「ふふ、指だけで感じちゃうんだね。そろそろいいかな?」 状況を判断しようと、頭の中で考えるも、それもすぐに快感の波が真っ白に染めていく 優也が奏斗に何かしているのはわかる でも、何をしてるのか、理解する前に気持ちよくなって、またわからなくなる 「やっぱりあいつにたくさん使われたんだね。大丈夫。俺がたくさん可愛がって上書きしてあげるからね」 「……?」 「挿れるよ」 「あ、んああっ!や、あぅっ」 優也が何か言っている でもやはり理解する前に今までにないほどの快感が奏斗を襲い、それは叶わなかった びくっびくっと体は震え、脳さえも焼けるように熱くなる 「すごい、挿れただけでイっちゃったの?」 「あぅ、んん!な、なに、これぇ」 奏斗はいまだ消えない気持ちよさに困惑する 「あ、そっか。かなちゃん見えないもんね。今外してあげる」 「あ…ゆう?んっなに、してっ」 途端に視界が明るくなり、奏斗は咄嗟に目を細める だんだん慣れてゆく視界 目を閉じているのだと思っていたが、優也が手に持つ布を見て、目隠しをされていたのだと、ぼんやりと気づいた だがそれよりも、尻に強烈な違和感を感じ目を向ける 仰向けに寝転がされた奏斗の尻に、優也のそれがズッポリとハマっていた あれ、俺、優也と…セックスしてる…? 気づいた途端、ぼんやりとしていた頭は一気に冴えていく なんで、優也と俺がセックスしてるんだ? 俺をレイプするのは父さんで…、優也とはしなくていいのに、でも、今は優也とセックスしてて?? いきなりのことに混乱する頭で必死に考えるが、なんで、どうして、が優って一向に答えはでてこない 「は、お前、何して…」 「何って、セックスだよ?かなちゃん、気持ちいの好きでしょ」 「あっ!うごっ、くな…!」 そう言って優也は軽く腰を揺する それだけで電流が走ったように痺れる頭に鞭を打ち、なんとか冷静になろうとする だが、対する優也は困惑する奏斗などお構いなしに、むしろ、奏斗が冷静になろうとするのを邪魔するかのように言った 「じゃ、動くよ」 「え、まっ、んぅうっあ!んあっや!」 不意をつくように、いきなり動かれて、再び頭は快楽に飲み込まれていく 奏斗は優也を止めようとするが、腕を後ろで縛られているのか、身動きがとれない その間にも優也のそれは奏斗の中で暴れ回る そのたび奏斗の口からは嬌声が溢れて、さらに何も考えられなくなる おかしい、こんなこと、 絶対おかしいのに…… 「ほら、ここわかる?かなちゃんの、いいところ」 「あっだめっ、ぬけって、んああっ」 優也はわざと見せつけるように奏斗の腹の上から、とんっとそこを叩く それからそこを集中的に突かれ、奏斗はもはや、何が何だかわからなくなっていた 「あっあっイっちゃ…んぅっ」 「イっていいよ。好きなだけ」 「だめっいやだ…ぁああっ!」 「…っ」 優也はいいところを突きながらも、奏斗のモノも器用に擦り上げる 後ろも前も同時に攻められ、奏斗はいとも簡単に2度目の絶頂を迎えてしまった それと同時に優也も奏斗の中へ己の欲を吐き出す 優也はすぐに抜きはせず、余韻を楽しむように2、3度ゆるゆると腰を動かすが、イった直後の奏斗は、それだけでも気持ちよくなりびくびくと跳ね上がる 「あ…んぁ」 「上手にイけたね。ご褒美にお薬飲ませてあげるからね」 「い、やっそれっ、やだぁ…」 優也は奏斗に薬を用意するが、薬が原因で体がおかしくなってしまうことは、さすがの奏斗も理解できた 熱くなって、気持ちよくなって ダメなのに 気持ちいい そうなってしまうのが怖くて、薬を飲むことを拒否すると、優也は困ったように言う 「でも喉乾いたでしょ?何か飲まないと」 「やなの…それ、こわいぃ」 「もう、わがままだなぁ。…じゃ、こっちなら飲めるでしょ?」 駄々をこねる子供を相手するかのように頭をなでる優也が指さしたのは、さっきまで奏斗の中に入っていたそれ 優也の精液と、奏斗の愛液で濡れていた 「綺麗にしてくれる?」 「っ!?いやだ、むりっ」 「どっちか選んで?薬か、俺のか」 どうやら優也はこの2つの選択肢しか選ばせてくれないらしい 本来ならどちらもすることはないだろう だが、今の奏斗は正常な判断ができないほど弱っていた 選択を迫られ焦った奏斗は、つい頷いてしまったのだ 「ほら、おいで?早く飲みたいでしょ?」 いつの間にか優也はベットに腰掛け、奏斗はその足の間に座り込むような体制になっていた 凶悪な大きさをもつそれは、奏斗の目前にあり、今にも触れ合いそうな距離にあった 「口開けて?」 「…あ…」 薬を飲みたくない奏斗は、言われるがまま口を開ける 優也はその姿を愛おしそうに見つめながら、頬、顎、唇を順に撫でていった

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