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 どうして傍らにいないのか、どうしてあの時守り切れなかったのか……  暗い闇を覗き込むように、幾度考えてもどうしようもない事実を繰り返す自問自答は際限なく俺自身を責め苛んでくる。  いっそそのことを受け入れて嘆くことでもすれば楽になれるのかと言う思いもよぎったけれど、それは自分を楽にしたいだけで今この瞬間苦しんでいるかもしれないはるひの助けにならないことを理解もしていた。  泣き喚いてはるひが帰ってくるのか?  自傷ではるひが帰ってくるのか?  オレが死ねばはるひは無事にいてくれるのか?    そんなわけがない! そんなことをしている間に一歩でも歩みを進めてはるひの元へ向かわなければ……わずかでも希望があるのならば何をもってしてもそれに縋って行かなくてはならない。例えそれが……遺品を回収する結果になるのだとしても、どうやってでもそこにたどり着き、そしてあの鈍色の化け物に相応の報いを受けさせる!  安易に消滅など許さないように、手足の先から削るように切り落として細切れにしてやる。  はるひに触れて、その命を脅かしたことに! 後悔なんて生ぬるい報復で報いてやる!  許さない!   絶対に許さない! 「   ──── ゆ、  す、ものかっ! 許すものかっ!」  喉の奥がひりつくほどの叫び声をあげた瞬間、体中にビリッと痛みが走った。  その痛みのお陰ではっと我に返って反射のように周りを見渡す、そうすると周りは薄暗いが天井があって……そして……  そして、だ。 「   は?」  見下ろした自分は粗末な寝床に寝かされている状態だった。  体の傷には手当の跡があり、丁寧に看病されていたのか傍らには濡らしてあったらしい布が額から落ちて転がっている。周りは、まるで子供の秘密基地のようと表現するのがしっくりくるような簡素で、そこにあるもので作られた道具が並んでいた。 「どうしてだ」  物は決して多くないが、人がここで生活していると言う雰囲気がある。  そして、そのどれからも漂ってくる匂いがあって…… 「っ  ──── 」  飛び上がるようにして立ち上がると、狭い洞窟とも呼べないような岩の窪みから外に向けて歩き出す。  体中のすべてに痛みがあって、とりわけ脇腹に感じる痛みには時折歩みを止めて息を整えなくてはならないほどだった。けれど歯を食いしばりながら足を進める。    水音と……明らかな人の気配。  瘴気や魔物 なんかじゃない。  風に乗って少しのんびりした鼻歌まで聞こえてきて……  俺の黒い耳がその音を拾ってぴくぴくと忙しなく動いた。

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