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 観念はしていない、けれど諦めてもいない目でなんとか逃げ道を探しながらはるひは俺の促しのままに、にじるようにして胸の方へと近づいてくる。  しかしそこでは駄目だ。 「悪いが胸を曲げると痛むんだ。もう少しこちらに」 「もう、少し……だけ、ですよね?」 「そうだな、顔の上に座ってもらえるのが一番楽だ」 「 は……?」  ぽかんと、何を言っているのかと言う顔をしている割には、この場で自分が一番破廉恥な恰好をしていることに気がついているのだろうか? 「ほら、はるひ。おいで」  そう言って口を開いてみせるとはるひは腰を抜かしたようにぺたんとしりもちをついてしまった。もっとも、そのしりもちをついた先は俺の股間と言うオチまでついているのだから、世の中よくできている。 「あ  っ」  触ってしまった手に火傷でもしたようにまた飛び跳ねて……   「  っ、 手が荒れすぎている。俺ははるひを傷つけたくないんだ」 「だ  って」 「本来ならもっと時間をかけて準備を整えてから抱きたいが……こんな場所だ」  辺りを見渡しながら言う俺に倣ってはるひの視線もゆっくりと動いていく。そうすると俺と同じ黒を持つ瞳が緑をわずかに残した木々を映し出して……タイミングよく風が吹くものだから、はるひの羞恥と言う名の炎を掻き立ててしまったらしい。 「こっ  ここはっ……だって、オレは、ここで過ごしてて  ここ、は、家……だし  」  はるひがここで幾日か過ごしていることはわかってはいたが、家の認識になっているとは意外だった。  壁も天井もあるにはあるがそれでも前面は開けているから森が十分見えるし、川の流れる水音がここまで響いてくるのだからここが屋外なのだと突きつける要因は十分だろうに。 「おいで」 「 っ! で、でもっ」 「誰も見てないから」 「や……だって……」 「早くはるひを感じさせて欲しい」  焦れて腰を掴んで引き寄せると、小さな抗議の声を上げたけれどそれだけだった。  下から覗いてやるとはるひは今にも卒倒するんじゃないかって顔を両手でしっかり押さえ、声を出さないように口をしっかり引き締めてしまっている。  けれど抵抗の素振りはなくて……  はるひの性格を考えれば、野趣溢れるこんな場所で応じてくれるような人柄ではない。  駄目なものは駄目だし、できないと言ったらしない……もちろん、俺との閨事に関してもそうだ。  もともと性行為において受け手側に選択権のある俺達の世界では、嫌なら嫌と言ってしまっていいし、それは引きずるような事柄ではないし文句を言うような事柄でもない。  つまりここでこうして、俺の鼻先に性器を差し出しているのは、はるひの意思だと言うことだ。  

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