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 びくびくと震えるようなはるひの腰の振り方は、確かに気持ちはいいが生ぬるい湯に浸かったような気持ちよさで、暴力的な衝動を押さえつけている今の状態の俺にはもどかしくて仕方のない動きだ。  だからと言って、必死になれないことをしようとしている姿を愛でるのは楽しくて、俺は理性と本能を乗せた天秤がガクガクと震えて壊れそうになっているのを感じた。 「 ぅ、く、ンっ   」 「はるひ、無理をするな」 「むり……無理じゃな……っクラド様のが、おっきくて  やぁっ! これ以上は……こわ、壊れ  っ」  そんなことを言われて興奮しない男がいるのかっ⁉︎  一層興奮した俺のせいでぶるぶると膝を震わしながら、堪えきれなかった涙を一粒流したはるひが「入りきらない」と声を上げた。 「クラド様の、いつも と、同じ……っんっ……とこにあるのに……」  腹を擦りながらこちらを見下ろしてくるので、促されるようにしてはるひの両足の奥に視線をやった。 「ああ、はるひ、それ以上は入れてはならない」 「……え?」 「いつもここまでしか入れないからな」 「えっ……え? えぇ⁉︎」  ぼろ と目じりに溜まっていた涙が零れて腹の上ではじけ飛ぶ。  どう言うことだと尋ねたそうなのにそこに回す余力がないのかはるひの口は魚のようにぱくぱくとはしていたが、声は漏れては来なかった。  本来なら、俺だってすべてをはるひの中に収めたいと思ってはいたが、耳と尾同様のかつての獣の姿を色濃く受け着いたのは股間も同じなのだから仕方がない。とは言え俺のものはまだ大人しい方だろう、根元が膨らんで抜けなくなる程度なのだから、兄やエルのものに比べたら…… 「そんっそんなっオレいつもクラド様でいっぱいで幸せなのに、クラド様は  っオレっそんなことも知らないまま  っ」  息を詰まらせるようにしゃくりを上げたはるひは思いつめたような表情で胸に縋りついてくる。  幼い頃から少しは大きくなったと思っていたけれど、胸に感じる重さは酷く軽くて頼りない。 「どうして泣く?」  助けに来た挙句に死にかけて助けられ、結果この状況なのだからはるひが情けなく思うのも仕方ないとは思うが、泣き声を聞く限りはそれが原因とは思えない。すんすんとはるひの匂いを懸命に探ってみるも、頼りになると思っていた言外の気持ちは今は役に立たなかった。   「俺の性器が気持ち悪いか?」  多種多様な獣人がいるこの世界では種別ごとに様々なことが違うのが当然だが、はるひ達の世界では違うと聞く。  一番濃密に触れあう個所が自分とあまりのも程遠い形をしていることに、恐怖するのは当然のことだ。

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