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「ちが う、んです。オレ、クラド様のことを何も知らないって思って……」 「……? そんなことはないだろう?」  小さな子供がむずがるように首を振るはるひは怯えのような顔をくしゃくしゃにして泣いている。  また、俺の無神経なところがはるひを泣かせてしまったんだろうか? 実際に母よりは兄、兄よりは断然はるひの方が俺のことを知ってくれていると思うのだが……  そのことで今問いかけてしまうとはるひを追い詰めてしまいそうな気がして、仕方なくあやすことを最優先として小さな背中をそっと撫でた。    ほんの小さな事柄がすれ違いに発展していくのはよくわかっていて、小さなうちにそれは潰しておかなくてはならないことだけれど、泣いているはるひを前にそれを探るのは落ち着いてからでいいだろうと思わせる。 「 っ  っ、クラド様、奥まで……来てください」 「⁉︎ 何⁉︎」  思わず大きな声を出したら腹に力が入ってしまったらしい、はるひが小さく嬌声を零して睨みつけてきた。 「お願いです、体いっぱい、もっといっぱい、クラド様でオレの中を満たしたいんです」 「いや……それは……」  亀頭球は性器が抜けないようにする役目を持つ、その使い方は多量の射精とその射精したものを中に押し込めておくためのもので……  つまりは、妊娠させる為の機能だ。 「そ、その、   」  俺とはるひはもう国王にも認められた夫婦で、子供までいるのだから何も恥ずかしがる必要はない。  けれどそんなことをすればはるひを再び孕ませてしまう と言う事柄をどう説明すればいいのだろうか?  ヒロはまだ幼いが乳母を雇えばいいだけで、それに幸い二人目を養うのを戸惑うほどの収入ではない。小さな子供が屋敷のあちこちを駆け回っているのを考えると、そわそわとしてしまうくらいには子供は好きだ。  今度は一からはるひの妊娠に付き合えるのだと思うと、自分が何を恐れてはるひの体にすべてを埋め込まなかったのかわからなくなった。 「そうすると、二人目ができるかもしれない」 「  ────っ」  はっと顔を上げたはるひが心を決めた表情を作るまでは一瞬だ。  食らいつきたくなるような白い喉を反らせて、はるひはそれ以外に答えがないと言いたげに満面の笑みで答えてくれた。  そろりと腰を推し進めた時、さすがにはるひの体から緊張が伝わってきた。  両手で持ったら指先が当たってしまうほど細い腰を引き寄せ、勃起したものをはるひの奥を目指して突き入れる。本来ならこの性器の根本の瘤が大きくなる前に挿入してしまうものなのだが、散々腹の上ではるひが身をくねらせたせいかわずかだけれどすでに性器は変形が始まってしまっている。  支えるために手で触れると、まだ固くはなっていないようだったので慎重にそれをはるひの中に沈めていく。  

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