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「ぁ っぁんっ……ぅ……うぅ……おおき   」 「大きいのは膨らみ始めているからだ」  冷静に言い返してみるが妙な汗が吹き出そうになるのは、はるひが無意識に漏らす言葉のせいだ。  こちらを煽ろうとして言っている言葉でないのはよくわかっているのだが、悩ましげな鼻にかかる甘い声で煽るようなことばかりを言ってくる。もちろんそれがこちらをどうこうしようとして言った言葉でないのはよくわかってはいるが、堪らないものは堪らない。  喉を低く鳴らしながら耐えるのも限度があると言うものだ。  反射的に出てしまう唸り声を恐ろしく感じて欲しくなくて、はるひの頬をそっと包んでできるだけ安心するように「好きだ」と言葉に出す。 「 ぅっ」  かぁっと体の赤みが増して、はるひはくすぐられたように身を捩って顔を反らしてしまうから、追いすがってその耳元で「愛している、好きだ、はるひがいなければ生きていけない」と俺にでも言えそうなセリフを繰り返す。  兄ならばもう少し気の利いた言葉を言えただろうが、俺にはこれが精いっぱいだった。 「ぁ、 ぁあっ、ゃ、耳っ  ぅンっ! ん゛っ……」  ぶるぶると震える体は恐ろしさに震えているようではなかったが、快感でとろけているようにも思えない。 「はるひが俺のすべてだ、はるひ、愛してる」  啄むようなキスと言葉と愛撫を繰り返しながら根元まではるひの中に埋め込み、ほぅ と息を吐いた。  いつも触れる手前側は慣れているような感触だったけれど、奥の方はまったく開発されていなかったからかきつく狭い。  それが、征服感を満たして…… 「嬉しい、はるひの中、温かくて柔らかくて、なのにぎゅっと俺を離さないって言っているみた   」 「もうダメっ」  ぶる とひと際大きく体を震わせると、はるひは俺の口を押えて真っ赤な顔で睨みつけてくる。  やはり、言葉が定型文過ぎて怒っているのだろうか? 「はるひの体は甘く、可愛らしく、なのに淫らに誘うようでいやらしい、赤いここも、必死に立ち上がっている可愛らしいここも、すべてが愛おしい」 「~~~~っゃっ も、もうっもうもうっ」  耳を押さえてぼろぼろと涙を零す姿は可哀想だけれど、今の俺にとっては弱った獲物だった。 「まるで宝石のような涙も、濡れてダイヤのように光る瞳も美しい。はるひは見る度に美しくて、俺はその度にはるひを番にできた幸運に感謝するんだ」 「  ────っ‼︎」  まるで息が足りないとでも言うように口を震わせて、はるひはいやいやと首を振る。  前国王陛下のように詩に精通していれば、こんなに怒らすことはなかったのかもしれない。

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