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落ち穂拾い的な 他国の王の決め方

 ※日本語の会話です  珍しく当代巫女のかすがとはるひ、そして先々代巫女のミロクこと清十郎がのんびりと茶を飲む機会があった。   「しっかし、あのバ神が王様選ぶって、いいのかね? 国滅ぶんじゃって思うけどな」 「選んでるわけではなく、銀髪を持った者が王になるらしいですよ」 「じゃあ年取れば俺もなれるってか?」 「清十郎がなったらやばいでしょ」 「おいこら! どう言う意味だ! あぁ⁉︎」  ミロクにすごまれて、かすがは平気だがはるひは怯えたように身を竦めてしまった。 「まーだから、この国は平和だよな?」 「まぁ、そうだよね」  銀髪で生まれた者を問答無用で王にする。  何ともざっくりとして思い切りの良すぎる選択だ。 「まぁ向こうでもそう言う話も無きにしも非ずだったからね。王権神授説だったかなぁ、清十郎さん知ってる?」 「へぇ……俺が知ってるわけねぇだろ。あ、でもこっちならではの選出方法があったな」    清十郎は王と共に他国に視察旅行にも行ったことがあるだけに、こう言った会話では面白い話を聞かせてくれる。 「なに?」 「巫女と王が6人で乱交」  さっとかすがの手がはるひの耳を押さえたために、はるひはきょとんとしたままだ。 「にーに? 聞こえないよ?」 「聞かなくていいよ」  「その結果生まれた子供の父親が王になるんだと! すごくねぇか?」 「え……でも父親なんてわかるの? 遺伝子検査?」 「あほ言え、一番はっきりしてるのがあるんだろうよ」  そう言って清十郎は耳を指し示す。 「ライオン、狼、馬、イルカ、熊、だったかな。だから誰の子供か一目瞭然」 「う、うわぁ……」 「ところ変われば だな」 「そう言えば、巫女の呼び方も国で違うって聞いたんですけど」 「推し、姫、アイドル、てっぺん、とか? お姉さまってのも聞いたことあるぞ、あとご主人様な」 「んんん?」  なんだか馴染みがある言葉にかすがは唸る。 「神子って呼ぶところもあるしな。まぁ呼び方はなんだっていいんだけど、中身は結局拉致された被害者ってだけの話だ」  そう言うと清十郎は少しだけ苦そうな顔をする。  帰りたい? なんて問いかけはもう擦り切れるほど聞いたし尋ねた。けれどどれだけ言い募ろうとしてもこの世界から元の世界に帰る手立てなどなく……  神の気まぐれで摘まみ上げられてこちらに連れ去られた身としては、「バ神」に「クソ神」で十分だと、清十郎とかすがの意見は一致していた。  故にコリン=ボサを呼ぶ時はその名前で呼ぶが、そのことに関して神が怒りを見せたことは一度もなかった。    END.

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