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じゃあ、何故、彼女が此処まで興味を惹かれて。
喰い付いているのか。
「楽しみなのは解りますが、魔界に来て、馴染んだとしても…マリアに惚れるかも解らない設定で、場所を提供したのですか?」
『…違うわよ。小嵐には、才能があると思っているわ。それは、違う形で開花するかも知れない。彼、現代の子と少し変わっているの。やり方が、古代なのよね』
『それは、また』と、言いたくなったが、止めた彼は。
唖然とした態度を見せる訳でも無く、平然と叔母と話していた。
これが、今、バルコニーで。
ティータイムをしている彼が居たら…。
騒がしくなっている。
それも彼が疲れるくらいの気力と体力を使う。
『ビアンの事を考えていた?あの子、ああ見えて…好奇心が旺盛だから。従兄としては、疲れるでしょう。でも、そこがビアンの良い所なのよね。好奇心って、大切だから』
「…」
『妻としては…不満ないと見るわ』
「それ、まるっきり叔母様に返します。旦那おいて、本の中で生活している魔族の血を引いている古代神『レイナ』しか居ませんもんね。分身の名前は…」
痛い所を付いてきた甥っ子。
『“レレル”…。小嵐の古代書に眠る女神ですわ』
呆れた声で答えた。
身分がバレるのは少々、やりずらいと、彼女は思った。
いくら、興味を持った相手だとはいえ…。
時空魔術を使って、魔界へ連れていくのはどうかと、考えたが。
敢えて、思考を変えてみた。
これは…。
ー…あくまで、仕事だ。
彼女の中では、小嵐を無事に魔界へ運ぶのが仕事。
彼が古代書を見る目が惹かれた。
それを、魔界で生かして欲しい事に嘘はない。ただ、仕組まれたストーリーに鍵があるだけ。
彼が解けるかが問題だが、女性は確信があった。
小嵐を待っている相手に…。
惹かれ合うのも時間が解決してくれる気がした。
それは、ゆっくりと。
巻かれた薇と同じ感じの感覚だと気付いたからだ。彼には悪いが、一肌じゃなく、何枚でも脱いで欲しいと。
「ー…女神の嗜好にも困りましたね。現代の神の行く末を味わってしまったせいですか?刺激的な味しますかね?彼…」
半ば諦めた感がある男性は、彼女の嗜好を、よく、理解していた。
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