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【小嵐side】
小春日和の朝、僕は夢を見た。
果てしなく続く、闇夜に一筋の明かりが見える。
あれは、何だ?
神だ。
美しい神が立って、ニッコリと、微笑んでいる…。
『今すぐ、その夢を止めて。アイツを神扱いにしないで頂戴。気色悪いですわ…』
「いてっ」
思わず、現実に引き戻される。
彼女は…。
指で僕の鼻をデコピンした。
『もう少し、マシな物を綴りなさい。本当、無駄な浪費と体力を使うわね。小嵐は…』
「ごめん。何か、薔薇色の雰囲気に包まれた男性が出てきたから…つい」
『それ、気色悪いわ…』
「えぇぇぇ」
折角、小説の登場人物として綴ろうとしていたのに。
僕の中で、薔薇色の雰囲気を纏った男性なんて、滅多に居ないのに酷い。
『お願いだから、そのキャラを使おうとするのは止して。本人が鼻血垂らして、喜んだらどうするのよ。私は、嫌よ、小嵐が綴る文章に彼が居たら…』
本当に、嫌そうな顔をしないでよ。
僕、傷付いちゃう。
「解ったよ。違うパターンで、綴ってみる」
『それで良いわ…』
脳裏に描かれている文章を彼女は見る。
多分、知り合いか誰かに似ていたのだろう。実在する人物だったのかも知れない。
なので、修正して、新たな文章を綴る事にした。
思い描くのは…。
雰囲気ある古城で、一人の男性と僕は目が合う。
ふっと、お互いにバチバチと感じる何かに気付く。
これが…。
運命の出逢い。
『さっきのよりは、全然マシ。これなら、力になるんじゃないかしら…』
「…」
あ、僕がまだ見た事の無い品だ。
ー…古代書に載せてくれないかな。
『マスターしたら、載せてあげるわ。小嵐の事だから、上手く扱えると思うわ…』
「マジ!これ、載せてくれるの?」
『載せてあげる。但し、条件をクリアーしたらね…』
「僕、頑張る!」
断然に、良いでしょう。
彼女が使おうとしている品は、僕にとって欲しい物だ。
よって、条件をクリアーしようと思っている。
古代書に載せてくれるなら、新しい文章を綴ろうと思う。
僕の頭、頑張れ!
えっと…。
こうだったかな。
指で光を操り、文章を書いた。
古代魔界語の文字を書くのは、結構な体力を使う。
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