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空中に羅列を、並べ、一つの文章にした。 これが僕達、古代書使いの得意とする術で。他にも、こいゆう感じに緩やかな文字を並べると、クラシックみたいなゆったりさが出てくる。 僕自身が、力を使いながらBL小説の内容を宙に書くのは初めてだ。 こんな場面…。 母に見られたら『モラルが無い上に、性描写を古代文字で綴る子が居る?』と、蔑まられるだろう。 それどころか、僕のオアシスとも言えるBL小説が危うい危機に晒されるかも知れない。 しかし、息子が腐男子という性質は、変えられないので諦めて欲しい。 僕は、腐で生きている神だ。 腐無くして、萌える素材が無いと死体と同じ。 「古代魔界語って、難しいね…」 『そうかしら。ちゃんと、基礎の発音と文字の書き方さえ、出来ていたらいけるわ』 「僕、古代のやり方で、小説を書いてみたいんだけど…えっと…』 『“レレル”。私の名前はレレル』 何か、ふっと、思った事が出てきた。 折角…。 古代魔界語で記せるんだし、小説綴るなら、古代のやり方で、やってみたい。 それに、腐と自覚している分、変なエネルギーが放出されそうな気がしてきた。 頭の隅っこで、そんな事を考えながら、僕は彼女をチラリと、見た。 長年、一緒に居たのに名前を聞く事すら無かった。 しかし…。 ある事を思い出した。 名前って、凄く大事で。契約する時に必要だよね。 以前、聖獣契約する時に『名は相手を縛る』と、書かれてあった本を読んだ。 だから、簡単に名前は教えないとされているのが、見えない掟として存在する。 この場合は…。 どうなるんだろう? 僕と彼女こと『レレル』の関係。 「やっぱ、主従関係?」 『はっ。私と小嵐が主従関係だったら、おかしいでしょう。どちらかといえば、主人と下僕の関係みたいな?寧ろ、其処は小嵐の頭で考えなさい。腐だからかなんだから』 「そんな事言われても、主人と下僕も美味しいけど、何でレレルが主人候補?」 『…一辺、頭かち割って宜しいかしら?』 凄く恐い。 アイスピックとかで、頭をぶっ刺していそうなイメージが出てきてしまった。 好物を目の前、ぶら下げられると、つい、喰い付きたくなるのが、腐男子の条件反射であると自負している。

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