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「絶対に、これ、いける…」
何処から湧いてくるのか解らないけど、小説の内容を確認してみて気付いて欲しいわ。
それ、一冊の本にしたら、結構、際どい…。
『腐男子の感覚かしら?』
「濃厚なシーンって、結構、印象に残るよね。それを狙っての内容なんだけど…。僕的には、グロい要素を入れても、一つの物語になるんじゃないかと思っている…」
『小嵐が、そうしたいなら…性描写多めでも、文句は言いませんわ』
「その、呆れた感じ止めてよ…」
命を懸ける場所、間違っていますわ。
小嵐の脳内では…。
性描写多めのシーンで埋め尽くされている限り、他の場面が薄まっている気がしてきましたわ。
具体的に、どんな回を書きたいのかを聞き忘れていたけど、多分、想像出来てしまう。
『呆気に取られただけよ。腐男子が描く世界に、私は凄く興味をそそられたのかと、現実逃避をしたくなったわ』
「…」
興味を示したのは、別の事だと解っている。
しかし、腐男子を否定すると、彼を否定する事になるから敢えての奪回作を考えようと思った。
『其処で、黙るなんて、小嵐らしくないわね』
何時もみたくBLトークを広げなさい。
用語沢山、出てくるでしょう。『これ、美味しい』とか言って、ふはふはしながら、私に見せるのが日課じゃない。
BL小説を開きながら見せるのは、丁度、挿し絵よね。
綺麗に描かれた性描写が、エロいというか、曲線が艶かしいのが彼の推し。
本体も見ているとは思うのだけど、ツッコミが無い辺りが慣れているのかしら。
「レレルって、シビアだよね…」
『そう?』
「僕から腐を取ったら、単なる変哲も無い神。それは、女顔だけど…それ以外は普通というか。ただ、腐っているだけだから、あんまりぱっとしないのは重々承知…」
『あまり、自分を卑下するのはどうかしら。小嵐の場合BLと腐を取ったら、単なる変態の類いになるわ。私、嫌よ、才能あるのに棚からぼた餅状態』
黙って考えていたのが、私の事だったとは。
出てきた言葉が『シビア』って、小嵐にしては誤算だわ。
どの辺が?とは、聞かないけど…。
大方、先ほどの件なのは解っている。
BLと腐は、取らない方が賢明ね。
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