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それより、さっきから濃厚なシーンが脳裏に送られてくるんだけど。 小嵐…。 嫌がらせかしら。 『『ちらりと見える肌が、自棄に色っぽい』って、私に何を読ませようとしているのかしら…』 「最近、嵌まっている小説の一説。チラリズム勉強中だったのを忘れていた」 彼に、チラリズムの善し悪しが解るのかしら。 モラルの『モ』も無いのに、どうして、見せる様で見せないみたいな昔風のエロいシーンが想像出来るのか、不思議だわ。 もしかして、其処だけは違うのかしらと、思ったけど、小嵐にしては無いわね。 残念ながら、彼の中にチラリズムの感性が備わっているとは思わないわ。 『二百三ページ…』 「ん?」 『インパクトは大事だけど、それなりにストーレートでも良いんじゃないかしら…』 「えぇっ、チラリズムは抜けという事?相手の色気をどう伝えようか、考えたのに」 いや、色気の伝え方を考えていた様には見えない。 私に嫌がらせと言わんばかりに、性描写のオンパレードを開催するつもり? 『ー…其処が、盲点よ…』 「『着物の裾から、見える足がエロく、白い肌は火照っているのが解る。俺の熱い昂りがスラックス越しに脈を打つ』というのが、僕の考えた文章」 大分、捻ってきているわね。 『それは、良いんじゃない…』 「ただ、売れるかは問題」 『…売ろうとしていたの?』 「脳内販売なんて良いなと、思っていたけど、レレルの反応を見てから考えようかなと」 何処から、脳内販売って、出てくるのかしら…。 こんな卑猥な文章を脳裏に送られてくる方の気持ちを考えた方が良いわ。 私で反応を試してから、売ろうと考えていた小嵐の真意を知りたい。 まさか、魔界で試作と言って、試みようとしているんじゃないかしら。 彼の事だから『面白い』という発想が、出てきそうな感じがするわ。 それを手に取る甥っ子達の姿が目に浮かぶ。 特に、腐男子が書いた小説を“彼”が読んだ場合の想定も出来てしまう。本人が、こいゆうのが希望と解ったら、即、行動に移すでしょうね。 変態マリヤ…。 絶対に、小嵐を脳内構造通りに犯そうと考えている。 これは…。 私と本体も同じ気持ちだわ。

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