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ここ数年、見てなかったから…。 ー…すっかり、彼の年齢を忘れそうになる。 何時も、のほほんとしていて、現実離れしている子だから、一際、大人っぽっく見えてしまう。 でも、考えたら小嵐は十六歳の青年で、モラルの『モ』が無くって、お馬鹿なBL小説が好きな腐男子。 この子が本当に龍神の血を引いているのかと、最初は誰だって、疑問に思う。だけど、ちゃんと引いていると知ると、皆が一目置く。 考えたら、龍神の血が問題だったりする。 不思議で…。 のほほんな、おっとりした感じと言えば『木龍』というイメージが強いけど。 その逆をいくから、私的には流石、光皇帝の者が驚くのも無理が無いと思うわ。 彼の家系の事は知っているけど…。 遺伝子的に、どうかな?と。 ー…思う。 「僕の顔に何か、付いている?」 『いいえ…』 ぷくぅーと、膨らませた頬が今にでも爆発しそう。 『ー…はい、そこまで…』 いきなり、ぱちーんと、手を鳴らす音が響いた。 エメラルドグリーンの長い髪が宙を舞いながら止まる。 小嵐の時間が一瞬だけ止まったのだと解った。 『あまり感情を露にすると、瞳の色が変わるから駄目だと、教えた筈ですよ…』 「…」 『制御装置使わそうかしら…』 『それは、難しいかと思われます。幼い頃に、制御装置付けていましたが、見事に壊れました…』 で、出た。 小嵐の祖母…。 無論、私が時空の中で生きる者だと知っていますわ。 そして…。 誰をモデルにして作られたのかも把握済み。 ただ、彼が拗ねてから登場するのは如何な物かと思います。 冗談交じりの発言に、思わず恥ずかしくなってしまう。彼女が言った『制御装置』は、随分昔に私自身が作ってあげたわ。 だけど、感情の昂りに反応し、壊れてしまった。 あれからは必要無いと思い、強化する事も無く、作るのは諦めた。 別に小嵐には制御装置無くっても感情の昂りさえ、抑えてくれていたら、他に言う事も無い。 それに…。 『久しぶりに、時間を止められた経験が出来たじゃない。小嵐…』 ちょっと、先ほどのお返し。 自分の性格解っていて、拗ねるから。 止められてしまうのよ…。 少し、そのままで大人しくしてくれると有り難いわ。

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