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長い髪はサラサラで…。
よく、風に遊ばせているのは解る。
何時も、好きな曲を歌いながら、物作りしているから印象的なのよね。
それを、本体がたまに目にしては、気になった曲をリストアップしているのを、私は何度か目撃している。
やっぱり、現代の曲ってのがヒントなのかしら…。
ふっと、思い出しながら彼女の『彼、立派な龍神の血を引いているわね。私の血筋にしては抜けているというか、のほほんが随分と、濃いけど。間違いないと思うわ。ほら…恐がらずに目を開けて見なさい…。私の分身“レレル”。古代魔界語で『お菓子より甘い』と込めて、彼に送るわ…Trick or Treatならぬ『くれなくても、悪戯しちゃうぞ』を…』という科白が甦ってきた。
あれ、意味があったのね。
私、てっきり、叔父に対しての嫌がらせだと思っていたわ。
Trick or Treatなんて使うから、ハロゥインに何か仕出かすのかと、勘違いして、身構えていたの。
恥ずかしながら、完全なる勘違い。
本体の挨拶の仕方だったなんて…。
思いもしなかった。
よくよく考えれば、彼女が何を考えているのか解らない。
『ー…それ、考えた所で無意味なので諦めて下さい』
脳裏に響くセトの声。
『まさか、彼が“白龍”の遺伝を引いているとは、驚きですね。てっきり“天龍”かと思っていました。“白龍”と言えば『白龍帝 カザナ王』は“黄龍”を師匠に持っている筈ですが』
ちょっと、セト。
何、彼女を見ながら詮索しているのよ。
ー…えぇ、間違ってはいないけど。
小嵐の母親は光皇帝の血筋で、父親が“白龍”の血筋を引いているだけよ。
ま、あの冷めた感じの母親は…。
流石、自分を理解しているというか。
正に…。
『自分の血筋なら、当に調べてあります』といった感じ。
そして、小嵐の祖母は先代とは違い。
上品さが滲み出ているわ。
王族ならではの姫様って感じなのよね。
ヨーロッパ辺りに城を構えていそうな…。
毎夜、社交ダンスパーティーを開いては、踊っていそうなイメージ。
お恥ずかしながら、最早、私の方が疎外感を感じてしまいそうですわ。
分身の作り方を教えてあげたい。
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