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彼女に別の意味で興味を持った。 ブルブェニ城では、あまり聞かないが、時折、元老連中が話しているのを聞く。因みに、ビアンの父親曰く『老い耄れクソ爺』らしい。 『いい加減、隠居しろと、当時は思った…』 若干、悪い顔になっていたが、流石はビアンの父親だけあって。 お馬鹿さが滲み出ている気がしてきた。 これが噂に言う『見た目と名前が合っていない。遺伝子組み換えですか?』。 一族が口に揃えて言う、アレだ。 実は、父親が違う疑惑…。 ー…実際。 昔に言われたらしいから、ツッコミ様が無い。 その分、主である彼は違う。 母親の遺伝をばっちり引き継いでいて、威厳もある。 唯一、残念なのは、お馬鹿な部分。 「あれだけは、解剖して手術しようと、血液を変えようとしても無理だ…。何せ、父親であるジェイド様譲りじゃ、どうにもならないと…皆が把握している。そうだよね?メリリア…」 「…何時、気付いてくれるのかと思いましたよ。セレ」 ふんわりと、広がる花の香りに男性は、顔をしかめた。 誰も気付かない匂いに彼は気付いたのだ。 姿を現した女性は、ビアンお付きのメイド。 「君の香りは、花の匂いがする…」 「それは、ハーブを調合したり、女性特有の甘い香りを纏って、素敵な殿方と、舞踏会に行ったりとするから」 「気色悪い。変態女…」 「失礼しちゃうわ!ちゃんと、現代では『大人の女性』と、言うのよ」 一般的には『おねぇ』と、言うらしいぞ。 はき違えるな!!! ビアンは、ソナタが完全なる女性だと思っている。 そう呟きたいのに、女性の妙なテンションに、疲れを覚えた男性は溜め息を吐いた。 「メリリア、その声をどうにかしないか…」 「いやん、私ったら。ビアン様居ないからって、気を抜いていたわ」 誰が彼女を雇ったのかは言わない。 ただ、主である彼が生まれた頃から、ずっと傍に居るのが『メリリア』と、呼ばれる女性だった。 花が好きなのか…。 よく、庭先で摘んでいる姿を見た事がある。 ビアンが口にする紅茶は、彼女がブレンドする物。 決して、他のメイドには作らせない。 何故なら、ビアンにとって、メリリアは信頼出来る存在だからだ。

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