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3ー2
【セレside】
まぁ、見た目は、完璧な女性。
しかし、声を聞くと、男性だと気付く。
メイドという枠に付いているから、女性だと把握出来るだけで。後は、まるっきり、男だと思う。
最初、見た時に男性だと気付いたら、俺やセトみたくなる。
「でも、いけずよね。ビアン様って、約束の前に『お菓子頂戴』と、報酬的な?」
「…リセル様に似てしまったのですかね。ビアンが、お菓子をネタに脅しに使うなんて」
確かに、リセル様は、デザートに目が無く、専属にお願いしている。ビアンも、引き継いでしまったかも知れない。
だが、お菓子を食べたくなったら『先に言って下さい』と、申しているのに。
俺は、沸々と、何かが煮えたぎった。
こいゆう時は、叔母に言えば良い。
魔王選びには…。
必ず、携わっているのは解る。
ー…しかしながら。
何処に居るか、解らない。
大方、秘密の場所に居たりするのが日常。
だけど、今のブルブェニ城の状況を見れば、旦那の所か。はたまた、別の場所か。
「似ているのは、親子って事よね。リセル王が、いけずかは解り兼ねますが」
「それに、踏まえては、メリリアの想像に任せる。俺は、ある方を探しに行って来る。此処に居ても、ビアンが、戻って来るかも解らないし、時間を余している分、動いた方が無駄にならない…」
「えっ、ちょっ」
叔母を探して、聞いた方が利口な判断だと、思った。
ついでに、今後の行動を紙に書いてもらおうと、考えた。
メリリアが驚きながら止めようとしていたが、俺は翻す事なく、玉座を後にした。
ビアンが戻って来るまで、其処で寛いでおいて欲しい。メイドでも、専属なのだから、誰も文句を言わないだろう。
もし、言ってきたら、俺を後から通せば済む話。
そんな事を頭の片隅に置き。
叔母の行きそうな場所を思い出す。
何時もなら、庭園に居る。
魔界で育てられている花々は、自我を持っている為に、少しアレだが。立派に植物として、分類されているし、大抵は薬を調合する時に使う。
叔母も薬を調合するから…。
居るかも知れないと、推測した。
でなければ、秘密の場所で、優雅にティータイム。
天界から持ち帰った植物を植えていると、以前、リセル様から聞いた。
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