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第一、カギリ王の場合は、前世からの約束で。
今の…。
嫁と、結婚したと、聞く。
“フリア”の血筋の者だったと、本に書かれてあった。
だからと言って、俺まで同じ様にするとは、限らない。
『俺のタイプは…置いておいて。交じる気がないだけだ。相手を見付けるなら、自分でやる…』
『えぇぇ、詰まんない』
詰まんないと、言われても 、好きでもない相手と、結婚出来るか。大体、叔父のタイプと、俺のタイプが、似ている事が畏れ多い。
『死にたいですか?』
普通に、紳士的スマイル浮かべて、相手を殺していそうなイメージだ。
それに、叔父は、叔母様を、大切にしている。
『何か…不思議。昔では、考えられなかった事だもの。今、こうしてあるのも、貴方のお陰かしら…』
『君にしては珍しく、しおらしい態度とは。昔みたく、暴れなくなった』
『あの、誤解生む言い方は、止して下さい…。あれは、貴方が私を担ぐから…』
顔を真っ赤にした叔母が珍しい。
鳴呼、叔父の前だからか。
ああいう、表情をするのは。
俺は、そんな二人の姿を見て、憧れていた。
何時か、家族を持つ時が来たら、叔父夫婦の様に、仲慎ましい関係でいたいと。
しかしながら、叔母の『子供が出来たら、起こすのは、子供の役目にしようかしら。絶倫…』と言う、微かな言葉が聞こえたが。あれは、叔父に対しての文句か。
確かに、精力強そうな感じがする。
まぁ、魔族は、性に忠実だから、居ても可笑しくない。
現に…。
リセル様の祖父が、そうなのだから、仕方ないだろう。
自分の匂いを付けまくっているという噂。
そうすると、叔父も叔母に匂いを付けていそうだ。
匂いにも種類があるし。
自分のモノという証を付けたくなるのも性だから、致し方ない。
逆らおうとすれば、強さを増していくのが特徴。
結果が見えているのだから、折れてしまえば、早い。
そう教えてくれたのも父様なのだが。
肝心の叔父の方は、どうしたのか、気になる。
媚薬も同然の匂い。
堪らなく、欲しくなったりするのだろうか。
俺は、試した事無いから、解らないが。試した者からすれば、欲情するのだろう。
そんな事を考えながら…。
実家へ、急ぐ。
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