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3ー8
「第一、夢の蛇園の一部を提供してくれたのは、レイナ様だし。僕が、こよなく、蛇を愛しているの、解っている」
あれ、条件の元で設計されたと、セトが言っていたけど。父様が、深く、関わっている事を忘れていないだろうか。
元老連中から…。
『官吏長の二の舞にするな』と、キツく、申し上げられている。
『弟みたく、魔の巣窟には、させない。蛇も、厳重管理する』
父様、弟君が管理している魔の巣窟を知っているから。
余計に。
目を光らせている。
「あまり、増やすと、怒られますよ…」
「そこは…安心。ちゃんと、図鑑に載っている種類しか居ないから」
「品種改良した日には…」
「…」
想像したのだろう。
自分が、お仕置きされる姿を。
だけど…。
品種改良の前に、母様の機嫌を直す手段を、見つけないと、後が大変だ。目の前に映る資料が、燃えかすにならないか、心配。
これを纏めるにあたり、結構な時間を費やしているに違いないし。
現魔王としては、残して置きたい資料。
頭の中をフル回転させながら、僕は、必死に、答えを導く。
『リセルが、機嫌を悪くした時は…』
仄かに香る甘い匂い。
とろーりとした、チョコレートが中から溢れる。
それは、フォンデショコラの様な…。
華美なる情報。
やっぱ…。
“彼”の事は、外せない気がする。
どんな甘い物よりも、良い味がすると、思うんだ。
僕は、これからの展開を、思い付いた…。
ナルシスト感バリバリの、薔薇を浮かべて、湯船に浸かっている昔風の皇子、マリヤには悪いけど。
犠牲を伴ってもらわないと、今後の僕の人脈に、皹が入ってしまう。
これなら、セトも、セレも、文句を言わない。
急いで、叔母が書いた資料に、サインをしていく。
この、研究で、得られるのは、恋に関して、如何なる要素が、含まれているか。
血液同士が混じり合う瞬間…。
熱く、燃え上がる、何かが生まれて来るのは、予想付くけど。
問題は“罪の花”の効果を知りたい。
母様が、さっき言っていた『学名』なら、調べやすい。しかし、花言葉でいくと。
「あ、あった…」
ラゲナリア。
ラテン語では『フラスコ』という意味を持つ、夕顔。
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