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それを聞いた叔父は。 『本当に、それが、最後ですよ…』 女性に言ったらしいが、多分、やったら、お仕置きが上乗せじゃなく、現代で、有言実行されるので、やらないだろう。 その辺は、凄く、厳しいと、聞いているし。子供には、真似をさせないと、決めている分、安心。 しかしながら…。 何故、今回は、血なのかを教えてはくれなかった。 「兄様に、随分前に『フリアの者と、結婚したら…?』と、言ったら、怒られた」 「それは、カザが安堵するだけで、セレが安堵する訳じゃないわ。何も…『フリア』の血筋に、拘らなくたって、他の王族も居るし、貴族の者でも、申し分、無いと、思っているわ…」 「母様は、心配じゃないの!何処の馬の骨かも分からない者が、兄様を、狙っていたらって!」 「良いじゃない。それも、経験。セレには、掟に、縛られず、普通に、恋愛をして欲しいわ…」 ムスッとした表情をするの彼は、母親の、うっとりした顔に、吐き気を覚える。 大事な嫡男が、出身すら知らない者に、狙われても良いのだろうかと、考えたが。よくよく考えれば、お見合いという形は、似合わないのを知っている。 まず、堅苦しい緊張感を、漂わせながら、気を使うというのが、正直、性に合わない。 想像したら、反吐が、出そうになった。 両親が、お見合い相手に。 笑顔を浮かべている姿を見せているだけで、アウトだ。 尚更、兄の理想である女性だった場合、逆に、畏まりそうな感じがしてならない。 早々、現れる訳ではないのは、カザも知っているが、もしもを想定したら、奇跡に近いだろう。 流石、父親の血が、叫んでいるだけある。 「ー…可愛い子には、旅をさせろって、感じ?」 「魚心あれば、親心…」 あっさりと、返させる。 カザの兄、セレは、確かに見た目が、三十代に見える男性だ。 それは、周りの淑女達が、鼻血を垂らすくらいイケてるとは思う。しかし、タイプが、問題なんじゃないのだろえかと、最近になって思えてきた。 別に、叔母を否定する訳ではないが。 ハードルが高い感じがする。 頭の中で『これが、こうなる訳で』と、浮かべながら、考えていた。

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