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【セカトアスside】 久しぶりに、帰って来る息子の気を感じた私は、笑ってしまった。 慌ててる姿を、想像したら、可笑しい。 『母様、俺は、大きくなったら、叔母様みたいな女性と…契りを交わしたいと思います…』 そんな事を、社交パーティーで、呟いていたのを、思い出した。 けれど…。 セレ、それは、不可能に、高いんじゃないかしらとは、言わないわ。 ー…タイプが。 どうであれ、ハードルが高いのは、素晴らしい事。 ビアン様に支えて、色々学べているんじゃないかしら。 『何時か、彼にも、素晴らしい相手が現れたら“ルフェリア”も、喜ぶんじゃないかしら』 そいゆう、お嬢様は、儚く、微笑った。 “フリア”は、確かに…。 カギリ様筆頭の家系。 だからこそ、守っていかなければいけない伝統もある訳で、あの、澄ました顔の。 優しい性格とは、裏腹の腹黒い夫。 フリアの容姿を、一番、理解しているあたりから、お嬢様の傍にお仕えながら、何を仕出かしているのか。 『えへっ、逃げられちゃった』 逃げられたんじゃなく、逃がしたの間違い。 あれで“フリア”の当主としての務めが、出来るのかと、問われれば。 『問題無用』と、言いたい。 其処が、完璧だから、ムカつく。 まぁ、帰ってきてから、怒るとして。 とりあえず、セレの件は、大方、叔母様関係と、言った所。 その分、カザは、無気力と言うか。 兄に、嫁候補を上げたくって、仕方ない。 嫁は…。 暫く、セレには、無理じゃないかしら。 あの子、父親似の部分があって、運命の相手が現れるまで、契りを交わさないタイプだから。 カザは、諦めた方が、良さそう。 それにしても、今回の件は、珍しい傾向。 『血を使った適合者探しって、セラの家系から探すの時間が掛かっちゃった』 魔界貴族『セラ』。 歩く変態紳士“シイガ卿”の家系。

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