38 / 40

3ー13

【セカトアスside】 久しぶりに、帰って来る息子の気を感じた私は、笑ってしまった。 慌ててる姿を、想像したら、可笑しい。 『母様、俺は、大きくなったら、叔母様みたいな女性と…契りを交わしたいと思います…』 そんな事を、社交パーティーで、呟いていたのを、思い出した。 けれど…。 セレ、それは、不可能に、高いんじゃないかしらとは、言わないわ。 ー…タイプが。 どうであれ、ハードルが高いのは、素晴らしい事。 ビアン様に支えて、色々学べているんじゃないかしら。 『何時か、彼にも、素晴らしい相手が現れたら“ルフェリア”も、喜ぶんじゃないかしら』 そいゆう、お嬢様は、儚く、微笑った。 “フリア”は、確かに…。 カギリ様筆頭の家系。 だからこそ、守っていかなければいけない伝統もある訳で、あの、澄ました顔の。 優しい性格とは、裏腹の腹黒い夫。 フリアの容姿を、一番、理解しているあたりから、お嬢様の傍にお仕えながら、何を仕出かしているのか。 『えへっ、逃げられちゃった』 逃げられたんじゃなく、逃がしたの間違い。 あれで“フリア”の当主としての務めが、出来るのかと、問われれば。 『問題無用』と、言いたい。 其処が、完璧だから、ムカつく。 まぁ、帰ってきてから、怒るとして。 とりあえず、セレの件は、大方、叔母様関係と、言った所。 その分、カザは、無気力と言うか。 兄に、嫁候補を上げたくって、仕方ない。 嫁は…。 暫く、セレには、無理じゃないかしら。 あの子、父親似の部分があって、運命の相手が現れるまで、契りを交わさないタイプだから。 カザは、諦めた方が、良さそう。 それにしても、今回の件は、珍しい傾向。 『血を使った適合者探しって、セラの家系から探すの時間が掛かっちゃった』 魔界貴族『セラ』。 歩く変態紳士“シイガ卿”の家系。

ともだちにシェアしよう!