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ー天界・レイ・八夜の秘境 「あの子ったら」 ふわりと、浮かんでいる女性は、魔界の様子を、泉に、映していた。 気になって、繋いでみたが、セレと、カザの母親の考えていた事に、思わず、溜め息を、吐いた。 確かに、分身を作ったのは、明確だ。研究の大事な資料集め。 『レレル』は、完璧に、彼女の全てを、インプットした成功品。 どんな、研究よりも、上手くいった作品と言える。 完成させるまでに、費やした時間を、無駄にしたくない。 「小嵐 盈羅。白龍と、光皇帝の血を引く皇子。その、研ぎ澄まされた感覚を、開花させないのは、勿体無いわ。あの…マリヤと、相性が良いなんて、運命。それに、研究結果は、既に、出ているわ」 “罪の花”…。 ー…夕顔。 下界では、有名な物語で、色男とも言われた御上の血を引いた御子なんだけど、愛情不足で、父親の再婚相手に、手を出しちゃう大奥あるある恋物語。 でも、夕方には、花を、閉じてしまう。 それを、題材にした訳じゃないが、これは、罪の味がするお菓子があるという話だ。 蕩ける様な、ミルクチョコみたいな口の中に、広がる感覚が、何時かは、恋しくなって、媚薬効果を、表すんじゃないかと、思ったレイナは、叔父の研究を、手伝いながら、考えた。学会ですら、発表されていない古代書を、使った研究だが、扱うのが難しく、避けていたのは、事実。 じゃあ、何故、今なのか。 「此処には、一本の繋がりが出来ますの」 『ほぉーっ…それは、何だ?』 「恋のオマジナイなんて、素敵だと思いませんか?下界では、ジンクスというのがアリ、恋に効く物は、試したくなるそうです。そう、考えると、お馬鹿なビアンでも、解りやすい方法で…見抜いてくれるんじゃないかと」 青色の髪をした男性は、彼女の会話に、にっこりと、微笑った。

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