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3ー16
『で、次なるプランは、お姫様』
今日に、限り、言葉が丁寧だ。
何時もなら、無言の圧が、彼の周りを包んでいて、近寄り難いオーラを、放っている。推測するに、機嫌が良いのだろう。
でなければ、出てきたりしないのを、彼女は知っているが、数カ月前の事を思い出した。
あの、過酷な実験の嵐の日、彼は『面倒臭い、手伝いたくない。頑張れよ、レイナ』なんて言って、眠りに、入りやがった。
普通は、昔の好で、手伝ってくれても、バチは当たらない。
叔父貴達の、実験内容が嫌だからと、あからさまに顔に出していた。
言うなれば、アレだ。
知らないフリというより、アホぽっさを、業っと残した如何にも、鼻をほじって『聞いていません』といった面。
「それを、聞いて、どうするの?」
『楽しそうだから…見物』
「悪趣味です事…」
『お互い様だろう。あの、マリアが、関わっているなら、面白そうじゃないか。儚くも…一人の男を想っているなんて』
舌を舐める様に、彼は、瞳が、爛々していた。
鳴呼、マリアの方ね。
変な嗜好同士、合うのか。
それを考えていたら、彼女は、嫌気が指した。
何処に、甥っ子の趣味を楽しむ伯父が居るのだろうか。『セラ』の家系とは、もう少し、カミューみたく、利口な生き方を、選んでいる者が、多いと思っていた。
特に…。
この、男。
“アイレイン”は。
それが、甥っ子と、以心伝心しているとは知る由もなかった女性は、呆れた。
楽しむのは、自由だから、意見はしないが。
-…漏れている。
漏れている、溢れんばかりに、変態の域を超えた様な領域が。
魔界貴族始まって以来の変態臭が、第二圏を包もうとしている。
足を組みながら、優雅に、ブランデーあたりかしら。洋服は言わずと知れず、イブ·サン·ローラよね。
なんて、想像が、彼女の中で、浮かぶ。
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