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第28話《おまけ+》高度5000米から愛を込めて【前編】
高度が100米 上がると、気温は摂氏0.6度下がる。
海抜0米の地上が30度なら、高度5千米の上空は0度である。
「高度5千メートルの空で体温保持は重要だ。体温放出は命に関わる」
その通り。
「だから、君の陰毛はフサフサボーボーのままにしておいたよ」
「………」
「地上に降りたら一番に剃ろうね」
「………」
「ニホン人の君には、ひとつまみのチョロ毛を残しておいてあげるから、安心するんだよ」
「〜〜〜」
「おや?震えている。寒いのかい?」
違う。震えているのは、高度5千米の寒さのせいじゃない。
「大佐……」
「私を心配してくれるのかい。Danke. でも大丈夫だよ。私はドイツ人だ。剃る事には慣れている。だから下の毛がなくても、寒くないよ」
フルフルフル……
震えているのは寒いからじゃない。
俺が震えているのは……
「怒りだァァァーッ!!」
プシュウウウゥゥゥーーッ!!
食らえ!正義の鉄槌!
額から体温放出して、頭冷やせ!
(あなたの興味は、下の毛しかないのか)
このドスケベエロエロ空の守護者!
「君の股ぐらの守護者でもあるよ」
「寝てなさい!」
プシュッ
……パタ。
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