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いくら、彼女が、魔族の血を引いていても、感じる筈なんだ。 母親の温かな優しさを。 白い手が、お腹を包む様にして、撫でる感覚を。 私は、覚えている。 嘗ての、絶対神である“アラディーナ”だって、人の子として、生まれてきた。 だから、どんなに、毒を吐く美人でも、母親のお腹の中にいる時は、感じていた筈。 『王族の歴史って、大切なんですよ…。彼方は、天界より、深いですし』 『確かに、天界は…第一天から第七天あると、習っている。それも、白き絶対神“サファリア”が、決めた事だと、著書で、勉強したけど。私が、知りたいのは、何故、彼女は…双子の弟の計画に乗って…天地開闢を、起こしたのかが気になる…』 『それ、レイィールには、難しいんじゃないかしら。私の母様は…國と、一体なの…。どうすれば、回避出来たというか、神々が、成長していく中で、裏切りや妬みが出てくるのは当たり前だと思うわ。その中で、見出だす人って、ごく、僅かな数。でも“サファリア”は、双子の弟の手の内を読んで、配慮したのかも知れない…。それは、私達が、想像しているのと、かけ離れている』 解っているけど。 流れている曲のせいか、妙に、気になる。 『感情的になると、良い結果は生まれないと、言うし…』 『だから、レイィール…“アラディーナ式”は、不可能だと…言いましたよ』 そんな表情で、見なくっても。 『えっと、物は、試しに…』 『四大元素操れますの?母様は、言いましたよ。いくら、貴方が“サファリア”の血筋でも…必ず、成功させるのは難しいと…。それに、魔法陣完成させてどうするんですか?』 『新たな時代に…行ってみたいんだ…』 『もっと、現実を見るべきかと。貴方、先ほど、妹に『お見合いしてきて』と、言われましたよ。しかも、魔界に』 思い出さないでくれ。 忘れたいんだ。 何で、私が、アルィータの為に、お見合いを魔界でやらないといけない。

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