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白き華の涙を、届けよう(リリーside)

ー異界・神の大聖堂 この、空虚な世界に、リリーは居る。 だけど、最近は、私の対なる存在“レイィール”と、会話をする様になった。 これが…。 意味する物は、レイィールが、行おうとしている“アラディーナ式”の魔法陣。 あれは、他の世界に移動する為に、編み出した術ではないのよ。 レイィールには、解らないだろうけど。 少なからず、時空のピアノが、鳴っているのは、彼の運命が、廻り始めたから。 それより、現実と、向き合いなさい。 貴方、妹に『お見合いしてきて』と、言われたのよ? 大概…。 何処の誰と、お見合いをするのか、解るけど。 私が、触れて良いものか。 『“ティーベル”は、唯一、魔王の寵愛を受けし、一族。だから、一生の忠誠を誓いました』 まだ、小さな魂の時、父様が、歴史を教えてくれた。 嬉しそうに、話すものだから、私は、言えなかった気がする。 小さな御霊でも、力を、集中させれば、話をする事が出来るのだと、気付いた。 『こうして、育っていく姿を見ると…私の血を受け継いでいるんだなと、実感します』 それは…。 愛し合って、出来た結晶ですから。 父様の性格を、引き継がせない様に、母様が、密かに、やっていた事を思い出した。 『白き者としての心得を…大事に。此処に、刻みますわね…』 白い光が、お腹を包み込む。 母様が、光術を、使いながら、力を送り込んでいたのだ。 それを感じる事が出来たのは、耳や鼻が形成された時だった。 下界で言えば、四ヶ月? あまり、私は、下界の事は、詳しくないけど、人間は、妊娠したら『十月十日』という言葉通りに。 子供を、お腹で、育てるらしい。 私の場合は、確かに、お腹の中には居たけど、其処に、光術と、古の術が重ねられており、プラス、父様の魔族としての血が混じっていたから、複雑な感じ。

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