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その前に、現実逃避をしようとしている彼を、どうにかしなきゃんだけど。 ー…大丈夫ですわ。 『あ…』 で、出た!!! 母様の魔法陣。 古の血を使いし、強行手段。 あれ、レイィールを、魔界へと、案内する時空術。 『えっ、これ、何。アルィータには、見えてない?私だけですか!!!』 『多分、複雑な時空術。逆らえないわね…』 最早、お見合いしに来いと、言っている様なもの。 ー術が、知りたかったら、聞きにこれば早い。 ですから、そう、重なる時は、教えてくれませんか。 レイィールの妹のお見合い相手さん。 母様通じて、混じる術を使うのは、癖ですか? “エセ”野郎…。 『私は、まだ、魔界へ行くとは、言っていません』 『貴方が、一度でも、母様の術を解けた事がありましたっけ?』 『…』 『諦めて、妹の変わりに、お見合いして下さい…』 それが、答えかの様に、魔法陣が反応する。 まぁ、逢って、彼の顔を拝むと良いですわ…。 磨き上げられた、とびっきりスマイルは、父様の真似をして。 出来上がったスタイルですから。 母様も、とんだ人を。 再従兄弟に、お持ちで。 魔界帝国を統べる“ブルブェニ”の家系に、ああいう人材が居るとは、初耳です。 私の記憶の中には、刻まれているのだろうか。 得意とする魔術を通じて、母様と混じるのは…。 如何なるものかと。 ー…それ、私に言っているのか?“リリー”。 他に、誰が居ますの? というか、時空術を、発動させて、彼を、魔界へ案内とは。 ー…駄々を、捏ねられても困るわ。彼の妹は、賢いわね。 賢いというより、最初から、計画していた様にも見える。 だって、彼が“アラディーナ式”に、拘っているのを。 解っていて、手段に出ようとした。 緻密な計画を練っていなければ、無理でしょう。 兄であるレイィールに『お見合いしてきて』と、言うのは。

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