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つまり、彼は、繊細。
育て上げる者は、丹念に、育てているのだろう。
でなければ…。
あの味は、出せないわ。
太陽を浴びて、瑞々しい果実。
甘く、濃度が十五と言った所か。
様々な使い方があるのも事実。
ルイ、貴方、素晴らしいくらい。
美味しい果実なのですね。
-…おい、戻って来い、リリー。
完全に呆れた声で、私を呼ぶ。
『絶対、変な想像をしていただろう。その前に、ソナタは、魔界に顔を出さなといけないぞ…』
そう言いながら、消えて行った。
何ていう、置き手紙ならぬ言付けを残していくのだろう。
『魔界に顔を出さないといけない』≒『父様の顔を見ないと行けません』とならないだろうか。
年に何回かは、繋がっているが、これは、危機と言う事に当てはまらないかしら。
『鎮魂の掟が、存在しますのよ。私は、母様の大事な記憶の玉を管理する役目があるわ』
『それは、大事な事だけど、是非に、父君に顔を見せて上げて欲しいわ…。仮にも、貴女の身体には、ティーベルの血が流れている。それが、何よりの証拠。鎮魂の姫という立場も大事だけど、一、皇女として、父親の顔も、立てて上げないとね…』
母様の企みは、少し、解る気がします。
私を、父様に逢わせる事が、最善なのは、次に起こる事を解っているから。
その、お腹に、私を宿している時からそうだった気がしますわ。
レイィールを魔界へと、転送させながら、私に、父親の話題を投げる。
この裏にあるのは、きっと、母様の『面白そう』という理由。
私が、拗ねているのを解っていながら、楽しんでいる。
『…しかし』
『どうしても、貴女に頼みたい仕事があるの…』
リリーに出来る事なのだろうか。
時折、母様の『お願い』は、無茶がある場合が、多々あって、本当に、私で、大丈夫なのかと思う。
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