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あれは、私が目覚める前に、聞こえた言葉。 母様の温かく、優しい言葉だったと記憶している。 それは、花が綻ぶ様な感じで、胸に染みるお言葉だった。 今も、思い出すけど、私は眠りの中で、全てを見てきた。でも、鎮魂の女神としての役目は、魂を安らかに眠らせる事。 あの、大聖堂も、母様の心掛けだ。 でなければ、あんなに一杯、思い出の品を残さない。 何時か訪れる死と隣り合わせなのかも知れないけど、この方、母様が転生する光景を見た事がないわ。寧ろ、家系が特殊だからだろうか、血があれば生まれてこれる。 それが『リオ』の家系だと、教えられた。 確かに、生まれ変わってしまえば、姿、形が変わる事なく、生前のままなのかも知れない。 学問的には、先祖還りというのかしら。 でも、違う気がしますわ。 『母様は、三人の血が混じって生まれたと聞いていますわ。神王『ギリセ』と魔王『セリオン』。そして、冥王『アイリス』の血が混ざって、生まれてきた御子。だけど、カラクリがあるのは解っていますの』 伊達に、魔界の統計担当である大公の血を引いていませんわ。 母様は、隠したがる。家系の秘密すらも。 其処に置ける謎すらも、全て。 だから、学ぶのです。 一筋縄でいかないなら、記憶を辿るのみ。 生命の誕生から死の最期まで。 『一番は、レイィールの血を一滴あれば、サファリアに聞けるのですが、生憎、母様自身ですもの。血にすら工作していそうな気がしますわ。だとしたら『マルソ』の血か、それとも『クラエティア』の血かと考えたが、クラエティアの家系は、また、別の時代ですわ』 やはり、レイィールの妹の血を貰ってくるしかないのかしら。 だけど、勘が鋭い子だから難しそうですわ。 彼なら…。 どうするんでしょう。 今頃、魔界で、優越に浸っていそうなルイは。

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